社会人スキーヤーのためのシーズン中の時短筋トレ戦略

社会人スキーヤーは、シーズン中トレーニングに割ける時間はかなり減ってしまうので、効果的な筋力トレーニング戦略が必要となります。この記事では、時間が制約されている場合でも筋トレ効果を最大化するための戦略について説明します。


時短筋トレ戦略の重要性

時間が限られている場合でも、効果的な筋力トレーニングを継続することは可能です。筋力の維持や向上には、頻度も重要ですがトレーニングの質も重要です。トレーニング時間を最大限活用するために、以下のポイントを抑えておきましょう。

ウォームアップはアクティブウォームアップ一択

準備運動として、トレーニング効果を得るために必要な可動域の獲得と筋温度を上昇を狙ったアクティブウォームアップをメインにします。エアロバイクなど有酸素運動での体温上昇を狙ったエクササイズをカットすることでトレーニング全体の時間を短縮し、トレーニング動作に焦点を当てた神経促通も行えるので、トレーニング効果を向上させることができます。

セット間レストはしっかり確保する

トレーニング時間を減らすことに意識が行き過ぎるとセット間インターバルが短くなります。一時期、「インターバルは1分程度が最適」という情報も流れていましたが、今は2分以上しっかり確保した方がよりトレーニング効果を高めます。

効率的なエクササイズの選択

効果的な筋力トレーニングを実践するためには、効率的なエクササイズの選択が重要です。複数の筋群を同時に刺激できるエクササイズや、大きな筋群を重点的に鍛えるエクササイズを取り入れることで、時間を節約しながら効果的なトレーニングが可能です。またスキーは左右別々に動かす動作がメインになるので、アシンメトリーなエクササイズを入れることも専門的トレーニングとして重要となります。

スーパーセットやサーキットトレーニングの活用

複数のエクササイズを連続して行うスーパーセットやサーキットトレーニングは、時間を節約しながら全身の筋力を効果的にトレーニングする方法です。これらのトレーニング方法を取り入れることで、短時間で効果的な筋力トレーニングを行うことができます。

Split Squat for skier(筋トレ)

時短筋トレするための具体的な戦略と方法

以下は、時間が限られている社会人スキーヤーに適した具体的な戦略と方法です。
 

プログラムの事前準備

事前に行うべきトレーニングを前もってプログラミングし、短い時間内で効果的なトレーニングができるように準備します。トレーニングの順序やセット数、レスト時間などを事前にプランニングすることで、実際の時間の節約と効果的なトレーニングが可能となります。

フルボディトレーニング

限られた時間内で全身を効果的にトレーニングするためには、全身を動かすフルボディトレーニングをベースにプログラミングします。大きな筋群を重点的に刺激するエクササイズや、複数の筋群を同時に刺激するエクササイズを組み合わせることで、全身の血流も良くなり、エネルギー代謝も促されます。

インターバルトレーニング

ハイインテンシティなインターバルトレーニングは、短時間で効果的なトレーニングを行うためにはかなり有効です。高強度のエクササイズと短い休憩を交互に行うことで、筋力や持久力を向上させることができます。

これらの戦略と方法を活用することで、時間が限られている社会人スキーヤーでも効果的な筋力トレーニングを実現できます。

シーズン中の筋力トレーニングにオススメなエクササイズ

スキーシーズンの時短筋トレを実施するためには、滑走動作やスキー障害予防を踏まえたエクササイズの選択が重要となります。
 

ブルガリアンスプリットスクワット

膝関節の動的アライメントをチェックしながら、大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋など、下半身の筋力を強化することが出来ます。

Bulgarian Split Squat(筋トレ)

ランドマイン・シングルレッグアングルスクワット

バーの片側を床面につけて、バーを斜めにしてトレーニングするやり方を「ランドマイントレーニング」と言います。日本ではあまり行っている選手は多くありませんが、海外の選手は一般的に行っています。ターンムーブメントを意識しながら、左右差を修正して、下半身と体幹の強化が出来ます。
※ジムによってはNGのところもあるようなので、ご利用のジムで確認してからトレーニングしてください。

Single Leg Angled Squat(筋力トレーニング)

ダンベルサイドランジ&リーチ

側方に重心移動しながら下半身と腰背部を強化出来ます。ターンの左右差があれば、必ずこのエクササイズでも差異があるはずなので、左右差をチェックしながらのトレーニングがオススメです。

Dumbbell Side Lunge & Reach

ダンベルベンチプレス

上半身の押す動作(プッシュ動作)を鍛えます。上半身を鍛えることは、転倒時の上肢の怪我のリスクを減らすことにも繋がります。

ワンハンドダンベルロー

上半身の引く動作(プル動作)を鍛えます。ベンチプレス同様、転倒時の怪我のリスク低減に重要です。

サーキットトレーニングの導入

サーキットトレーニングは、時間が限られている社会人スキーヤーのために非常に効果的なトレーニング方法です。複数のエクササイズを連続して行うことで全身の筋肉を効果的に刺激できます。

サーキットトレーニングの効果

時間短縮
サーキットトレーニングは複数のエクササイズを連続して行うため、セット間の休憩時間を短くできます。これにより、同じ時間内でより多くの筋肉に刺激を与えることができます。

全身への刺激
サーキットトレーニングでは、異なる筋群を連続してトレーニングするため、全身の筋力を均等に刺激できます。これにより、スキーに必要な全身の筋力をバランスよく鍛えることができます。

カーディオ効果
サーキットトレーニングは、高強度の演習と短い休憩を交互に行うため、心肺機能や持久力も同時に向上させることができます。これにより、持久力トレーニングも兼ねることができます。

まとめ

時短筋トレ戦略は、時間が限られている社会人スキーヤーにとって非常に重要です。長いシーズン、トレーニングが効率的に行えないと怪我のリスクも高まってしまいます。シーズン中は時間を有効に活用しながら効果的な筋力トレーニングを実現するために、以下のポイントを押さえることが重要です。

効率的なエクササイズの選択
限られた時間内で効果的な筋力トレーニングを行うためには、スキーの滑走動作や怪我のリスク低減に効果的なエクササイズを中心に選択することが重要です。そしてなるべく全身まんべんなく筋肉を刺激するエクササイズが重要となります。

サーキットトレーニングの導入
サーキットトレーニングは、複数のエクササイズを連続して行うことで効果的に全身運動を行うことが出来ます。各演習のセット数は10〜15回程度を目安に行い、セット間の休憩時間は30〜60秒程度とします。これにより、時間を有効に活用しながら効率的なトレーニングを実現できます。

プログレッシブオーバーロードの適用
筋力トレーニングでは、負荷を徐々に増やしていくことが重要です。サーキットトレーニングでも同様に、エクササイズの難易度や重量を徐々に上げていくことで、全面的な成長が期待できます。

レストとリカバリーの重要性
シーズン中の時短筋トレでは、十分な休息とリカバリーも不可欠です。トレーニング時間確保よりも十分な睡眠時間確保が最優先です。しっかり睡眠時間を確保してください。プラスして、栄養バランスの取れた食事を摂ることで、筋力の回復を促すことができます。

効率的な筋力トレーニングを実現するためには、適切なエクササイズの選択、サーキットトレーニングの導入、プログレッシブオーバーロードの適用、十分な休息とリカバリーの確保が重要です。是非、これらの戦略を取り入れて効果的なシーズントレーニングを実践してください。