身体の調整能力を高めるトレーニング=コーディネーショントレーニングには、様々なエクササイズがあります。

スキーにかなり効果的なコーディネーショントレーニングもありますし、バスケやサッカーのように対人競技向きのコーディネーショントレーニングもあります。YouTubeでコーディネーショントレーニングを検索してトレーニングしている人もいると思いますが、YouTubeには様々なコーディネーショントレーニングが混在しています。

スキーヤーには重心移動を伴ったコーディネーショントレーニング、もしくは重心をコントロールしながら、上肢や体幹を動かすコーディネーショントレーニングがオススメです。
そして、コーディネーショントレーニングのトレーニング効果を最大化していくために重要なのが、コーディネーショントレーニングを行う前に、身体の平衡感覚を認知する「固有感覚」を活性化することです。

固有感覚=プロプリオセプション(Proprioception)とは、身体の各部位の位置や動き、力の感覚を感じ取る能力のことを指します。これは、筋肉、腱、関節、皮膚などに存在する特定の受容器(プロプリオセプター)からの情報をもとにしています。
プロプリオセプションが向上すると正確で調和の取れた動きが可能になるほか、平衡感覚(バランス能力)の向上、不適切な動きや過度の負荷から身体を守るプロテクション能力(ケガの予防)向上につながります。

やみくもに複雑なエクササイズ=コーディネーショントレーニングとして行っても、身体の調整能力は高まりません。
重心移動や重心コントロール(片脚支持バランスなど)を伴ったコーディネーショントレーニングをする前に、プロプリオセプターを活性化し、自分の位置感覚や重心感覚を高めることを先に行った方が、よりトレーニング効果が得やすくなります。

固有感覚受容器(プロプリオセプター)が特に多く存在するのは、大きな筋肉(グローバル筋)よりも小さな筋肉(ローカル筋)です。長趾伸筋、短腓骨筋、長母趾伸筋など、足指の細かい動きを制御する筋肉が最も高い筋紡錘密度を示していることが過去のエビデンスで明らかになっています。

参加者の皆さんにはトレーニング前にセルフマッサージおよび足や足首を多面的に使うエクササイズを実施してから、リズミカルステップ、ラダー、スタビライザーディスク、トライアングルブレード、バランスボールを使用したコーディネーショントレーニングなど、様々なバリエーションにチャレンジして頂きました。

雨天予報でしたが、体育館の軒下を使用し、参加者皆さんのご協力を頂きながら無事に予定通りのカリキュラムを実施できました。皆さん、最後の方は良い感じで連動して身体のコントロールが出来ていました。

お盆休み期間でしたが、今回もスキーオフトレ大好きな皆様にお集まり頂きました。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!

※次回以降の「スキーオフトレワークショップ」のスケジュールはこちら
https://www.s-challenge.com/workshop/

S-CHALLENGE Training Program Works 代表/フィジカルトレーナー
アルペンスキー選手やプロスノーアスリート、スポーツ好きの社会人クライアントへ、個別のトレーニングプログラム作成サービスを展開し、パフォーマンス向上をサポート。日本スポーツ協会 公認アスレチックトレーナー(JSPO-AT)、全米スポーツ医学アカデミー 公認コレクティブエクササイズスペシャリスト(NASM-CES)