ランニングとエアロバイクのトレーニング効果の違いは?

エアロビックエクササイズの2大エクササイズである「ランニング」と「エアロバイク」のトレーニング効果の違いについて、新しいエビデンスが出ましたので要約・解説させていただきます。 

 2つのトレーニング効果は異なる! 

2020年11月にドイツ体育大学から「全力運動における最大乳酸蓄積率はサイクリングとランニングで異なる」というリサーチが発表されました。

Maximal Lactate Accumulation Rate in All-out Exercise Differs between Cycling and Running 2020

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33137832/

この研究を要約すると以下のようになります。

  • 最大筋出力は感覚と相関した
  • 最大筋出力はランニングに比べてサイクリングの方が高った
  • 最大乳酸蓄積率は感覚と相関はなかった
  • 最大乳酸蓄積率はサイクリングに比べてランニングの方が高った

個人的にはかなり以前より直感的に認識していましたが、今回このトレーニング効果の違いが明らかになったことで、サポートしている選手たちや個別トレーニングプログラム配信サービス「プログラムサポート」のクライアントさんたちにもエビデンスを示して違いを解説出来るのでスッキリです。

動作の形態という視点でランニングとサイクリングを比較するとトレーニングの3大原理の1つ「特異性の原理」からも違いは説明出来ます。

「特異性の原理」というのは「トレーニングの効果はトレーニングをした部位や動作、エネルギー供給システムに効果が表れる」というものです。

ランニングは下半身に全荷重がかかる運動ですし、走る速度が速くなれば膝や股関節など関節にかかる負担が増えます。骨や靭帯にも負荷がかかり、その負荷が適切なものであれば、骨や靭帯が強くなります。

サイクリングやエアロバイクなどはサドルに体重がかかる「半荷重」なエクササイズです。運動の中心が大腿部の筋群になるので、今回の研究結果にもあるようにランニングよりも大腿の疲労感を強く感じる人が多くなります。半荷重エクササイズのため、膝や足首への負担はランニングよりも低くなります。

どちら自分にとって最適なエクササイズなのかは、求めるトレーニング効果によって変わるのですが、スキーヤーの場合は筋肉やエネルギー機構の強化の他に、ケガ予防として骨や靭帯、腱などの強化も重要なトレーニングの目的なので、エアロビックトレーニングはランニングをメインにすべきです。

但し、下半身に怪我などの問題がある場合や、低温・強風・降雨・降雪など外的環境が悪ければ、エアロバイクをベースにエアロビックトレーニングを行い、筋力トレーニングやジャンプ系エクササイズ(プライオメトリック)をプラスすることで、ランニングで得られる効果を補うことは可能かと思います。

S-CHALLENGE Training Program Works
代表/フィジカルトレーナー 飯島庸一

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