今回のスキーオフトレワークショップのトレーニングテーマは「動けるカラダの基礎作り ― レジスタンスバンドを使った股関節モビライゼーションとアクティベーション」でした。

ストレッチをしているのに股関節の詰まりが抜けない、という悩みは少なくありません。これは、筋肉の柔軟性(フレキシビリティ)と関節そのものの動きやすさ(モビリティ)が別のアプローチを必要とするためです。
関節を適切な方向に軽く「滑らせ(グライド)」ながら動かすモビライゼーションは、ストレッチだけよりも可動域を広げやすいことが研究でわかっています。

ただし股関節は骨がしっかりはまり込む関節で滑る距離はほんの数ミリのため、その効果は「関節包が伸びやすくなること」や「関節内の感覚の変化」による部分が大きいと考えられます。
今回はペアでお互いがアンカー代わりとなり、支持物がない環境でもトレーニングできる方法を体感してもらいました。

実際のトレーニングでは、スキーのターン動作を3つの局面に分けて構成しました。
セッション①:ターン切り替え動作
ターンの切り替えフェイズでは「深くしゃがめない」という課題が多く見られますが、実際には捻り動作をともなう上下動になります。今回は動きを切り分けてシンプルにし、ディープスクワットの動作パフォーマンス改善を狙ったエクササイズをおこないました。

セッション②:ターン中盤
ターン中盤では「X脚・O脚などの膝の向き」に関する課題が多く見られます。股関節屈曲位での内旋・外旋の可動性を扱いました。特に男性は股関節内旋動作を苦手としている人が多いので、明確にトレーニング効果が出ました。
セッション③:ターン後半
ターン後半では「内倒する」課題が多く見られます。股関節外転動作と深く関係があるので、大腿部の内股の柔軟性と股関節の可動性を高めるエクササイズをおこなってもらいました。

スキー滑走では立位姿勢を保ちながら股関節を動かすため、踵・つま先に偏らない姿勢の保持が股関節モビリティの維持に欠かせません。
あいにくの雨模様でしたが、駒沢公園内の体育館の軒下スペースを確保して、予定通りのトレーニングをおこなうことができました。皆さんは股関節の詰まり感がなくなったり減ったりと、かなりの変化・効果を体感しながらトレーニングできました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

※次回以降の「スキーオフトレワークショップ」のスケジュールはこちら
https://www.s-challenge.com/workshop/

1995-2016 財団法人日本オリンピック委員会 選手強化スタッフ
|1995-2014 財団法人全日本スキー連盟 競技本部強化委員会強化委員、医科学委員会委員 |


